Project Civilian Bird
Producer Statement
プロデューサー
百々 保之
発端
「カウンセラー」、「コロナvs信心」と酒井善三とDrunkenBirdというチームで活動してきました。
酒井と肩を並べる実績を作るために、僕単独の実績が欲しかった。
どうしたもんか
とりあえず人を誘うにもお金の目処をつけないと声をかけられない。
ちょうど文化庁の補助金の第二弾があったのでそれを利用して映画を作ろうと思いついた。「コロナvs信心」などで経験があったのでなんとなくいけそうな気がしていた。
酒井ではない監督で映画を作る。そう考えた時に誰にするか考えた
漠然と最初に思ったのは長編ではなく、短編を集めたオムニバスにしようと思った。
というのは初めてやる監督と中編ないし長編の撮影というのはお互いが合わなかった場合のリスクが高いなと思った。
短編であれば脚本や準備の期間や労力が軽く、お願いする監督たちも作りやすいかなと考えた(長編に比べて)
また其々が違う方向性の作品になることで色んな層に矢を放つことができて、観に来た人が目的以外の作品に出会って思いもよらず意外に楽しんじゃう。そんなふうになっても面白いな。とも思ってたかもしれません。
レコメンド社会に反旗を翻す?みたいな
誰にお願いするか
最初におぼろげに考えていたのが天野大地くんだった。
天野くんは10年来の友人で人柄も知っていて、彼監督の作品にも何度かスタッフとして参加していた。天野君は一見気のいい人に見えるが、しっかりと自分を持っていてここぞという時にしれっと裏切ってくる。そんなしたたかな一面を僕は信頼しています。
次に酒井から西山さん、弥重さんを勧められ、決定した。
西山さんは「カウンセラー」「コロナvs信心」などでご一緒していたので人柄はなんとなく知っていて、西山さん自身の人柄からくる幅広い関係性や完成後の話題性もアリだなと思っていた。
最後に宮﨑さんに声をかけた。
宮﨑さんは映画美学校の同期で監督作こそないものの、必ず面白いものを作ってくれると信じていた。
基本的に一緒に作品を作っていけそうな人。人柄で決めた。
繊細で芸術家気質な監督ではなく、タフでしぶとく生命力のある監督と思える人とでないと一緒に作品作りを楽しめないと思った。
この頃に「現代をサバイブする監督たち」というフレーズが思いついていったのかもしれない。
それぞれにテーマ?売りがあるような気がしていて
宮﨑さん「コール」は
地方でも映画は作れる。プロに頼らずとも面白いものは作れる
西山さん「手と心〜」は俳優が監督する。とはどういうことか
天野くん「勝手に死ぬな」ではSFコメディという本人は望んで作ることはない作風を
共通することは各作品、尺は30分以内。予算が200万円、1日8時間撮影を守るという制約。
その時おぼろげに考えていたことがひとつあった。
「面白さとは制約の中から生まれるもので、制約の中で工夫するからこそ面白さの飛躍が生まれるのではないか」
という考え。
自主映画ではありがちな「やりたいこと」スタートではなく、制約やルールという枠組みありきのスタートという点が特徴の一つであったと思う。3監督とも見事に限られた予算、制約の中でもがき錯誤しきっちりと作品を作ってくれました。このうえないプロフェッショナルな3人だと思います。
作品の面白さと共にその技量のある監督たちとして観てもらえればと思います。